京都府宇治田原町での工事が、ようやく竣工となりました。
なんやかんやと、1か月半ほどの工事になりました。
BBQ炉とパーゴラが庭のメインとなります。
大きいBBQ炉でしょう。
両側に、肉や野菜を置くテーブルになるよう設計しています。
樹は、少し小さめですが、果樹や花が楽しめるものをたくさん植えました。
土の部分は、ディコンドラの種を蒔いています。夏には緑で覆ってくれるでしょう。
みなさん、気付かれましたか?
そうです。塀に、瓦がのってるんです。
実は、この塀、既存物なんです。もともとあったんです。
お施主さんとの打ち合わせの結果、このままにしておくことに決まりました。
まあ、塀自体の色調がアイボリー系なので、あまり気にならないでしょ。
もう3年も経てば、植物が成長して、緑で囲まれた素晴らしい庭に成長するでしょう。
その時が愉しみです。
そう、
そうなんですよ!!
成長が愉しみな庭って素敵ですよね。
本来、庭はそうあるべきじゃあないでしょうか。
私はいつもウチの職人と話しをしています。
「剪定って切ることと違うやろ」
「手入れって去年の形にすることと違うやろ」
毎年毎年、同じ庭、同じ作業の繰り返しに、どうしてもマンネリ化しがちになってしまいます。
元の形を維持しようと考えてしまいます。
完成された庭なんて、本当はあり得ないのに・・・。
しかし、我々こそが、新鮮な眼で庭全体をとらえ、伸ばすところは伸ばす。縮めるところは縮める。築山の起伏や地被類、苔、砂利など、場合によっては少しいじるくらいの配慮が必要なんです。
成長を愉しむこと、変化を愉しむことが、庭とともに暮らす大きな醍醐味だと思います。
完成に近づくために手入れをする。
10年目の手入れも、20年目の手入れも然り。
それこそが、正しい「手入れ」だと思います。
良い言葉があります。
「不易流行」
蕉風俳諧の理念の一。俳諧の特質は新しみにあり、その新しみを求めて変化を重ねていく「流行」性こそ「不易(不変)」の本質であるということ。
つまり、時の流れを愉しみ、成長していく、変化し続けること。それこそが、庭園美だといえるんじゃないでしょうか。
今日も庭師に近づくために―――。
2009年5月1日 at 06:30
瓦は、意外と新しそうですね!
奈良では、普通に塀に、瓦がのってますよ(笑
施主さんで「剪定」といわず、あえて「木造」お願いしますとおっしゃる方がいます。
2009年5月1日 at 16:29
>ぞのさん
いつもコメントありがとうございます。
ぞのさんとは出没地が被っているので、すごく親近感を感じます。お互い造園業を盛り上げるよう、頑張りましょう。
まずはグルっぽ1000人ですね!!
2009年5月1日 at 19:22
いやっ、まったくその通りだと思います。
街路樹や狭い敷地なら制限されて致し方ない時もありますが、庭が好きで植えられるなら尚更の事ですよね。
特に落葉樹を伸びすぎたからと言ってブツっと切られてる姿を見ると悲しくなります。
木と一緒で、抜き手(切り手)側も成長しないといけませんよね。
2009年5月1日 at 22:08
はじめまして庭師と百姓と申します。
新作を生み出すことで古典につながる、古典を知ることで新たな発見がある。
流行と普遍表裏一体で庭園のあり方を追及していく姿勢に感服いたしました。