京都御所の東側。

鴨川のほとりにあります、ホテル京都くに荘。

この地は、明治期に香淳皇后がご幼少の一時期をお過ごしになられた
久邇宮(くにのみや)様の別邸があったことで知られ、
かつての宮家ゆかりの地に立つ由緒ある観光ホテルです。

このホテルに露天風呂をつくるというお仕事を戴いたのは昨年末の話。

なんやかんやとなかなか着工出来ぬまま、
伸びに伸びて、6月の終わり頃、ようやく工事開始となりました。

といいましても、そんなに大きなお風呂ではありません。

昨年つくらせていただいた〝宇治天然温泉 源氏の湯〟と比べますと、
4分の1くらいの広さです。

大人が5人くらい、ゆったりと浸かれる広さってところでしょうか。

これまで使用していたお風呂の写真。

今までは〝浴槽から眺める石庭〟として使用していた空間を
思い切って露天風呂にしてしまおうという計画ですので、
敷地に限りがあるのは仕方ありません。

これは庭石を撤去している準備工のときの写真ですけども、
黄色いタイルの柱を挟んで奥が男湯、手前が女湯です。

浴室から見て正面にあたる壁と生垣は取っ払って、奥行は約2m広くなるんですが、
この中に男湯と女湯の露天風呂をつくります。

もちろん、真ん中には目隠しの仕切りが入りますので。
ご安心を。

露天風呂の完成イメージのスケッチはこんな感じ。

正面に大文字が見えますもんで、
大文字を眺めながら露天風呂に浸かれたら最高だろうなぁ、
なんて考えながらスケッチしていたのですが、
そこまで壁の高さを下げると、
遠方のマンションから丸見えになることが判明。

あえなく大文字の借景は断念しました。

こうなったら大文字の借景も消し飛ぶほどの、
最高の露天風呂をつくってやろうじゃあ~りませんか。

コンクリートの四角いプールみたいな場所が露天風呂となるところです。
奥が男湯で手前が女湯。

防水屋さんの防水工事が終われば、いよいよ我々松原造園の出番です。

ホテル京都くに荘 露天風呂②につづく