京都府宇治市内の、とある造成地にて。

結構な急斜面の山を切り開いて宅地にするための造成工事です。

高台のてっぺんにあるクスノキが、将来的に危険木になる恐れがあるということで、伐採工事を依頼されました。

このクスノキです。
庭志から庭師へ
なるほど。

クスノキの足元ギリギリのところまで土を削っていますから、雨などでの法面の浸食によって倒木する危険があります。
ここまで造成してしまった以上、もう伐採しかありませんね。

下から見ると、そんなに大きくは見えません。

もう少し近づいてみましょうか。
庭志から庭師へ

・・・・・・・・・おぉ。

なかなか大きいですね…。

幹の直径は80cm。幹周は約240cm。
うん。かなりデカイですね。
樹齢は120年ほどでしょうか。

庭志から庭師へ
この写真で見ると良く判るのですが、樹全体が竹藪の方に傾いています。
普通に伐採すると、絶対に竹藪の方に倒れてしまいます。
しかし、竹藪の中にお墓があるんですよね。
しかも、古くて格式高そうな。。。
絶対に竹藪側に倒すわけにはいきません。

法面の方に倒れるよう、樹の頭頂部分をワイヤーで引っ張りながら、根元からチェーンソウを切り、1発で倒すことにしました。

倒れる瞬間を動画で撮ってます。

1分30秒ある動画ですが、開始1分後くらいに倒れます。

思った方向に寸分違わず倒れました。
工事としては大成功です。
ただ、何度見ても痛々しいですね。
クスノキには、ただただ謝ることしかできません。
庭志から庭師へ
作業が終わり、ホッとした瞬間、自分たちがこんなにも見晴らしのいい場所にいたんだと気付きました。

宇治の町が一望できます。

なんだか最近、伐採工事がやたら目立つように思います。

樹木が動かない冬の時期から花や新芽が美しいこの時期は樹木を手入れする必要がありません。
したがって、木を植えるか。木を抜くか。
庭をつくるか。庭を潰してガレージをつくるか。
そんな仕事がメインになります。

どのような仕事であろうと、自分たちが持つ技術を最大限に駆使して、施主様に喜んでいただけるように、ただただ頑張るのみであります。