長さ4~5mの柱状石をドドン!と据えた
ここのお庭をつくらせていただいたのは、2年前のこと。

大きなお仕事でしたので、そのときブログにも書かせていただきました。

生野丹波石がそびえたつ庭 2013年

その当時からあった数寄屋門。

家主様が「小ぶりやし、気に入らんねん」とその時からおっしゃられていたのを覚えております。

そして今回、「やり替えたい」というご相談を受けまして、建物に見合った立派な数寄屋門につくり替えることになりました。

とりあえず、既存の数寄屋門を撤去しないと始まりません。

門を新しくするためには、周りの塀や足元の張り石なんかも一緒にやり替えなければなりません。

その辺の工事は松原造園でもチョチョイのチョイですが、門本体の工事は逆立ちしたって出来ません。
信頼の置ける腕のいい大工さんが知り合いに居りますので、そちらにお任せです。

門を組んでからの塀工事。石張り工事。

白木でしょ。
汚したり傷つけたりしたら一貫の終わりですから。
まーホンマに、気を使う事この上なし。

冷や汗をかきながら、元にあったように、ポスト付けてインターホン付けて、元の色と同じように吹付けをしまして、駒寄(こまよせ)を組んで完成です。

駒寄というのは、門の両脇に置かれた、竹で編んだ柵のことです。
駒ってのは馬のこと。
元々は馬が塀にイタズラをするのを防ぐため、近寄れなくするために置かれたものです。
駒除け。寄せないためなのに、なんで〝寄せ〟と言うのかは謎ですが(笑)

さすがに今の時代、馬に乗ってる人は皆無なので、全く機能してないんですけども。
ここでは足元を引き締めるための装飾として使っています。

住まいのカタチも昔と随分変わってきまして、こういうお仕事をさせていただく機会は滅多にないものですから。
大工さんの仕事を間近に見られる貴重な経験でした。

それにしても、門の向こう、桂離宮型の飾り気のない、それでいて気品高い雪見灯籠の何とも言えない味わい深いフォルム。

なんとも贅沢な風景です。